さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 窓辺はカーテンが閉じられ、ソファに横になっている人の姿を見つけた。

 玄関先には尚志さんの名前の記された宅急便が届いていた。

 差出人は千春になっていた。でも、中身はあたしの荷物が入っている。

 そこまで気にしなくていいような気がしたが、千春が念のためと言って聞かなかったのだ。

「幸せになってね」

 千春は笑顔でそう言うと、ソファで寝ている尚志さんを起こしに行こうとした。

 あたしはそんな千春の行動を止めた。

「疲れていると思うからいいよ」

「あれ?」

 ソファから寝ぼけたような声が聞こえた。

 ソファを見ると、尚志さんが体を起こすのが見えた。

「お兄ちゃん、おはよ」

 千春はそう言うと、軽い足取りで歩いていく。

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