天空のエトランゼ〜赤の王編〜
カタカタカタ…。

キーを叩く音が忙しなく、部室内に響いていた。

「どうだ?舞」

部室の壁にもたれ、腕を組みながら、高坂が訊いた。

「まだ…わかりません。何の情報も、報道されていませんから…。でも…」

舞は、パソコンのディスプレイを睨みながら、キーを叩く手を止めた。

「映像は行けます」

すると、ディスプレイに広範囲に渡る海の映像が映った。

「いけたか…」

高坂は、壁から離れた。

「はい」

舞は頷くと再び、指を動かした。

「こちらの監視衛星が、どこまで動くか疑問でしたが…何とか太平洋上空まで移動できました」

舞は、唇を軽く噛んだ。

「何が起こっているのか知りたい。片っ端から、その海域の島々を調査するぞ!」

高坂は舞の後ろに来て、ディスプレイを睨んだ。

「どこからいきますか?」

舞は画面上に映る映像をスキャナーして、地図と照合しょうとした。

しかし、いきなりエラーが表示された。

「し、島が消えている!?」

驚いた舞の指の動きが一瞬、止まった。

「何!?」

眉を寄せた高坂は、エラーが出ている島を睨んだ。

「馬鹿な…」

「いや…あり得ないことはない」

高坂の頭に、沈んでいく極楽島の映像がよみがえった。

「神レベルならな」

高坂は自らそう口にしながら、唾を飲み込んだ。

「神レベル…」

舞は手を止めると、

「あまり関わりたくないですね」

ぶるっと身を震わせた。

「ああ…。しかし、だからと言って、目をそらす訳にはいかない。この世界で、何が起こっているのか…把握しなければならない」

「そ、そうですね」

舞は頷くと、再びキーボードに指を走らせた。

高坂は消えた島の地点を睨みながら、深く頷き、

「知らないまま…終わることが一番いけない。例え…そこに絶望しかなくてもな」

画面からは決して見ることはできない…消えた海域の空気感を感じ取ろうとしていた。

「いやあ〜。今日は暑いですね」

そんな時、能天気な輝が部室に顔を出し…妙な緊張感に、首を傾げた。
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