天空のエトランゼ〜赤の王編〜
そして…笑っているのは、僕だけではなかった。

城の中で、目をつぶっていたライは…軽く口元を緩めた。



「な!」
「何!?」

それは、城にいたギラやサラにも感じられた。


「…」

北極海の氷の上で、座禅を組んでいたカイオウは閉じていた目をうっすらと開けた。



「フン!」

城内の回廊を歩くリンネは、鼻を鳴らした。

「どうなさいました?」

その後ろで歩いていたユウリとアイリが、リンネの背中に訊いたが…答えは返って来なかった。



「この感じは!?」

アルプス山脈から魔界に入ったジャスティンは、足を止め…空を見上げた。




「は!」

シャイニングソードから、ライトニングソードに変えた僕は、ギラとサラもどきの群れを蹴散らした。

「赤星!」

アルテミアの声に、すぐに反応できなかったが…彼女も薄々気づいていた。

「こ、こいつらは…」

ライトニングソードの一振りで、真っ二つになるギラとサラもどき達。

そして、僕の確信は…リンネもどきが前に来た時に、確証に変わった。

自らの体を、炎そのものに変化させた瞬間、リンネもどきは灰になったのだ。

「な!」

驚くアルテミアの声を耳にしながら、僕は空中に飛び上がり、ライもどきの一体にライトニングソードを突き刺した。

「こいつらは、能力をコピーし、姿形も似ているが…」

僕は突き刺したライトニングソードを強引に、横凪に払うと、体を反転させて、後ろに迫ったライもどきの一体を真っ二つにした。

「肉体は、人間を強くしたに過ぎない!」

残りの二体が、僕の左右に現れ…雷撃を放った。

しかし、僕が一瞬で消えた為に、雷撃を互いにくらい、消滅した。

「ライやギラ達が、こんなに弱い訳がない!」

僕は瞬きの時間で、地面に着地すると同時に、ライトニングソードを地面に突き刺した。

足下から電流が、島にいる者達の全身を駆け巡った。

「お前達は…彼らではない」

僕が、ライトニングソードを地面から抜いた時には…魔神もどき達は消滅していた。
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