天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「ばっかじゃない!見えないの!この軍勢が!」

アルテミアの周りにいる乙女グレー達も、構えた。

「一万人以上いる乙女ソルジャーの凄さを!」

一万人が一斉に構える姿は、圧巻である。

いつのまにか、アルテミアはその中心にいた。

「例え、ライの娘であろうと、この数に勝てるものか!愚かなり!天空の女神!」

少女の絶叫が、空間に木霊した。

それでも、アルテミアは動揺しない。

その様子が気に入らない少女が、右手を挙げると、乙女グレーの群れの向こうからさらに巨人と、怪鳥の大群が現れた。

「生意気な女神に、死というお灸を据えてあげる!」

少女は、棺の上に立った。

「太古の昔…我が妹イオナは、我を封印する為に!一万人以上の乙女ソルジャーを送り込んできた!」

少女は、アルテミアを見下ろし、

「こいつらは、その時の骸!異空間の中で、死に絶えた月の戦士達!貴様に、倒せるか?」


「容易いことだ」

アルテミアはニヤリと笑い、

「貴様程度に、手こずった一万人ならば、数秒で倒してやるよ」

余裕の表情を浮かべた。

「な、舐めるな!」

少女の怒声が合図となり、一万人以上の乙女グレーが一斉に襲いかかった。

「フン!」

アルテミアが全身に気合いをいれると、襲いかかろうとした乙女グレー達がふっ飛び、後方にいた乙女グレーにぶつかった。

まるで、ドミノ倒しのように、倒れていく乙女グレー達に目をやることもなく、アルテミアは叫んだ。

「モード・チェンジ!」

アルテミアの姿が、変わる。

六枚の翼に、黄金に輝く髪の毛。

さらに、美しくなったブロンドを振り乱しながら、アルテミアは天を指差した。

「空!」

異空間に、雷雲が現れた。

「雷!」

指を一気に、振り下ろした。

「牙!」

凄まじい雷が、空間中を切り裂いた。 すべてが輝き、すべてを消し去る。

「な!」

少女が瞬きをしてる間に、一万人の乙女グレーや魔物達は、消滅していた。

「ば、馬鹿な…」

少女の足が棺の上で、ガクガクと震えているのを、アルテミアが見上げ...呟いた。

「やはりな」

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