天空のエトランゼ〜赤の王編〜
浩也を見下ろすように、屋上に移動していた美亜は、優しく微笑んでいた。

「お前の願い…叶えよう」




「さ、させるか!」

リンネは、浩也に向かって攻撃をしょうと、右手を突きだした。

その時、どこからか二つの物体が飛んできた。

合体し一つになると…両手を広げ、浩也の前に立つ。

「!?」

その姿を見た瞬間、リンネの動きが止まった。

「ば…」

突きだした腕が震えていた。

「馬鹿な子」

リンネの前で、浩也の為に盾になるのは、フレアだった。

「どんなに尽くしても!どんなに愛しても!」

リンネは震える手で、炎を放った。

「記憶をなくしていても!心がなくても!その男は、お前を愛さないのに!」

リンネの炎が、フレアを焼いた。

次の瞬間、フレアの後ろから翼を広げた天使が、現れた。

「アルテミア!」

リンネは空を見上げ、絶叫した。

先程まで、美亜がいた屋上を飛び越え、天空で羽ばたくブロンドの女神は、そのまま一気に、地上に向けて降りていく。

「行くぞ!赤星!」

リンネの炎の中から、二つの物体が飛び出し、降下するアルテミアの手に握られた。

「A Blow Of Goddess!」

槍が電気を帯び、風が全身を包む。

そして、特別校舎の前で、九鬼を掴んでいるムジカに向って、槍を振り下ろした。

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