天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「新たな…女神?」

密書を覗いていたジャスティンは、首を捻った。

日が暮れてきた為、ジャングルの中で、野宿することを決めたティアナ達に、式神からの伝言が飛んできたのだ。

魔力不足からか、式神は密書を届けると、自然発火して燃え尽きた。

「女神が…つくられている?」

ティアナは、密書を手に取りながら、その意味に悩み込んだ。

その時…近くの草木をかき分けながら、1人の男が姿を見せた。

激しく息をして、全身につたなどを巻き付けながら、現れた男は、燃えつけた式神を見て、

「やはり…空を飛べるだけ速いか」

額に流れた汗を腕で拭った。

「誰だ!」

ティアナ達を庇うように、前に出たジャスティンを見て、男は驚いたように目を丸くし、

「おいおい!折角、こんなところまで届けられた文を、最後まで読んでないのかよ」

頭をかいた。

「あ、あなたは…」

ティアナは密書に最後まで目を通す前に、男のことを思い出した。

「し、知り合い!?」

2人の間に立つジャスティンは、顔を交互に見た後、慌ててティアナの手にある密書に、最後まで目を通した。
「何々…その場所に辿り着くまで、複雑である為…案内人を…同行させる!?」

ジャスティンは驚きの為、声を荒げた。

「まあ〜そういう訳だ」

男は最後に思い切り頭をかいた後、右手をジャスティンに差し出した。

「グレン・アンダーソンだ。普段は、傭兵をしているが…今回は、依頼を受けて…君達を案内することになった」

笑顔のグレンに、まだ気を許した訳ではないが…仕方なくジャスティンは右手を突きだし、握手した。

その様子を、寝床の準備をしていたクラークは、ちらりとも見ない。

「グレン・アンダーソン…」

ティアナは、入口の町であったときよりも、雰囲気が明るいグレンを見つめた。

その明るさが、無理矢理であったことを知るのは…まだ先の話である。

ティアナ達の次の目的地は決まった。

月明かりさえも、少ししか届かないジャングルの中で、一時の休息を取った後、旅立つことにした。

女神を葬る為に。





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