天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「どういう意味だ!」

ティアナは、ライトニングソードを握り締めた。

「肉親とか…大切な人間とかね」

不動はにやりと笑い、

「だから、それを完全にかき消す為に…必要なんですよ。肉親を殺すことが!」

「何!?」

ティアナは絶句した。

「我々の実験で、データを取ったのですよ。まあ〜詳しく言えば…我々が取ったのではないのですが…。それによると、他人を殺した罪悪感よりも、親しい人間を殺した方が…こたえるらしいので」

「貴様!」

ティアナは、不動に向かって突進した。

体が火傷をしても気にせずに払った…横凪ぎの斬撃は、不動の指を斬り落とした。

「流石ですね」

思わず、一歩下がってしまったことに、不動は動揺しながらも、強がって見せた。

そして、ティアナを見下ろしながら、

「だって、そうでしょ?人間同士の争いで、知らない人間を何万人殺そうが、人間は心を痛めない!」

笑みを浮かべ、

「先日の核ミサイルで、同士を殺したのに!誰も心を痛めていない!」

「違う!あれは、事故だ!それに、みんな…心を痛めている!」

ティアナは猛攻をかけた。ブロンドの髪が燃えようと関係ない。

「馬鹿ですか!」

不動は、せせら笑い、

「心を痛めているのも!事故だと思っているのは…貴方だけですよ」

「何!?」

「あれは、人間が人間を殺したのですよ!威力を試す実験の為にね!」

「違う!」

ティアナの脳裏に、闇に操られていたグレンの姿がよみがえる。

「あれは…操られていたんだ!」

「たった1人が、操られていただけで!何万人も殺したのか!違うな!周りの人間も同意してたのだよ!」

「違う!」

ティアナの一振りが、不動をふっ飛ばした。

「人間は、そんな存在ではない!」

「!?」

不動は、地面に倒れた自分に驚いていた。
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