天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「よし!行くぞ!」

まずは、高坂から扉を開けた。

そして、結界をくぐった瞬間、高坂は絶句した。

「魔物の群れが、待ち伏せだと!?」

目の前にいる20匹以上の魔物が、立っていたからだ。

「馬鹿な!さやか達は、どうした!?」

高坂が構えると、後ろから輝がぶつかってきた。

「部長…さっさと、移動…!?」

高坂の背中にぶつかった輝は、すぐには気付かなかったが…魔物達の息吹が耳に入ってきた来た為に前を向いて、同じく絶句した。

「な!ど、どうなっているの!?」

輝の次に飛び出してきた打田が、目を丸くした。

「敵かあ!」

次に出てきた十六が、魔物に気付き、二本の刀を抜いた。

「馬鹿な…」

高坂は、前にずらっと並ぶ魔物の隙間から、周囲の様子を伺おうとした。

「どうやら…飛ばされたようね」

高坂の横に、理沙が来た。

「!?」

その言葉を確認しょうと、後ろを向いた高坂は驚き、舌打ちした。

「チッ。合宿所がないだと!?」

どうやら、扉の向こうにトラップが仕掛けられていたようだ。

島のどこかに、飛ばされたらしい。

「うおおっ!」

日本刀を握り締め、突進しょうとした十六に向かって、高坂が叫んだ。

「舞!俺達がいる現在地を調べてくれ!」

周りに、同じような緑の空間が広がる島内では位置関係を把握できなかった。

「はい!」

突進した格好で止まった十六は、首を回転させると、すぐに答えた。

「結界に阻まれて、正確な位置はわかりません」

「ま、前を向け!話せるだろうが!」

突然、視線が変わった十六が叫んだ。

羆と虎を合わせたような魔物が、爪を立てて腕を振り下ろした。

咄嗟に勘で二本の刀をクロスさせて、その腕を受け止めた。

「馬鹿め!」

首が前に戻ると、十六はにやりと笑った。

刃の方を上に向けた為に、魔物の手は日本刀に食い込み、そのまま斬り裂かれた。

「部長!右手に真水の反応があります!恐らく!湖!」

十六の口から、舞の声が叫んだ。





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