天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「ステラ!」

梨々香の手に、マシンガンが二丁召喚され、周囲にぶっ放した。

「いくぞ!」

高坂は、校章を学生服の内ポケットに突っ込むと、別のものを取りだそうとした。

「ぐええ!」

咆哮を上げて飛びかかってくる魔物。

その瞬間、高坂の後ろから日本刀を握り締めた腕が飛んできた。

「スパイラルパンチ!」

その名の如く…螺旋を描いて空中をかける二つの拳が、魔物達を切り刻む。

「部長!大丈夫ですか?乗っ取るのが、手間取りまして、遅くなりました」

魔法陣から、手がとれている姿の十六が現れた。

「舞か!」

高坂は内ポケットから手を出すと、打田の腕を掴み、巨木の方へ移動させた。

「ムーンエナジービーム!」

十六の額が盛り上がり、第三の目が現れると、そこからビームを発射した。

乙女グリーンのビームと同じである。

「うぎゃあ!」

ふっ飛ぶ魔物達。

「何でもありだな…」

高坂は呆れながらも、

「頼もしい!」

ガッツポーズを取った。

「やっぱり…思うようにはならないのかよ!くそ!皆殺しじゃい!」

飛び回っている手が、十六に戻ると、舞の声から本人の声に戻った。

そして、両手を広げながら、苛立ちをぶつけるように魔物に襲いかかって行った。




その頃…。1人、休憩所内に残った輝。

厳密には1人ではないが…。

そばで横になっている真由を見て、

「き、巨乳…」

思春期特有のムラムラした思いに支配されようとしていた。

(お、落ち着け!犬上輝!)

輝は、自らの心に問い掛けた。

(ここで何かしたら…お前は、一生罪を背負うことになるぞ!)

と言われても、誰もいない空間が、輝の目を逸らすことをさせない。

(ぼ、僕が…悪いじゃないんだ!人間の遺伝子が駄目なんだ!こ、こんな気持ちにさせる〜青春ってやつが〜!)

そんなことを考えていると、輝の手が…本能に従って、巨乳に伸びていく。


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