天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「アルテミア!」

僕の叫びに、遥か彼方の海の底に眠るものが呼応した。

「くくく!この魔力は!」

リンネは絵里香を離すと、嬉しそうに笑った。

島が揺れた。

戦いが終わったばかりのジャスティン達の草原も勿論揺れた。

「じ、地震!?」

さやかの言葉に、ジャスティンは首を横に振った。

「いや…」



「うおおっ!」

浩也であった者の雰囲気が、変わる。

「赤星…」

アルテミアから剣を抜くと、傷口に手を当てて、気を流し込んだ。

「あたしは…」

アルテミアの目から、涙が流れた。潤んだ目で、僕を見つめ、

「お前にきちんと生きてほしかった。この世界で!お前は、エトランゼなんかじゃない!だから、簡単に命を捨ててほしくなかった。だから!あたしは、お前に…この世界で生まれて、育つ経験を味わってほしかった!」

「アルテミア…」

僕は、一気にアルテミアの傷を回復させると、彼女から手を離した。そして、ただ…アルテミアを見つめた。

その時、島を覆う結界が割れた。

「な、なんだ?」

その変化に気付き、空を見上げた絵里香は突然、重力が増したように地面に押さえつけられた。

その現象は、島にいた…すべての人間に対して平等に起こった。

ジャスティンを除いて…。

「このプレッシャーは…」

ジャスティンは経験済みだった。でなければ、流石のジャスティンも、地に伏せていただろう。

「い、息がで、できない…」

苦しむ緑の言葉に、ジャスティンは声を張り上げ、そこにいる生徒達に告げた。

「力を抜け!あがなうな!そうすれば…呼吸はできる」

ジャスティンの言葉に、九鬼とさやかはすぐに実行した。

「魔王が復活したのか?」

理沙だけが痛む足を庇いながら、立ち上がった。

「しゃらくさい!」

高坂はダイヤモンドの乙女ケースを握り締めながら、強引に立ち上がった。

「く!」

理沙は、島の上空に現れた者を見て、顔をしかめた。何とか強がってみたが、小刻みに体が震えだした。
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