天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「赤星君か…」

森から姿を見せたのは、ジャスティンだった。

来ないつもりだったが、嫌な予感がしたので、ここまで来たのだ。

「ライ」

空中で苦しみだし、ライは胸を押さえながら、テレポートした。

どうやら、去ったようだ。

「王よ…」

リンネも後を追うように、消えた。

「赤星」

アルテミアは、ライの魔力を感じないのを確認すると、僕の方に来た。

「…」

鉄仮面の女は、無言で3人を確認した後、僕の方を見て、頭を下げた。

「…今日だけは、引きましょう」

そして、頭を上げる頃には4人は消えていた。

「テレポートか」

追跡することは容易だが、引いてくれたのだ。追うことはしなかった。

「ジャスティンさん」

僕は、ジャスティンに頭を下げて微笑んでから、こう言った。

「他のオウパーツのもとに、案内して下さい」

「ああ…了解した」

ジャスティンは頷いた。

そして、3人は先程まで戦場だった草原に向かって歩き出した。

「赤星」

アルテミアが訊いた。

「僕に案がある」

僕は頷いた。

しばらく歩いて、草原に向かう途中…魔物には遭遇しなかったが、カレンと鉢合わせした。

師匠であるジャスティンと、いとこであるアルテミアに会ったことよりも…。

「浩也ではないのか?」

「ええ…。僕は、赤星浩一です。でも、記憶は残ってますよ。カレンおばさん」

浩也がいなくなったことに落ち込んだ。そんな気持ちになるなんて…カレンは自分でも信じられなかった。





「赤星浩一…」

その名は、草原に残っていた生徒逹にも衝撃を与えた。

なぜならば…その名を持つ者こそ、人類の希望だからだ。

「よろしくお願いします」

頭を下げた後、僕は微笑んだ。

偶然にも、その瞬間…夜が明けた。

まるで、太陽のバンパイアの復活を祝うかのよう。

しかし…魔王もまた、復活してしまった。

人類にとって、過酷な運命の始まりを意味していた。


天空のエトランゼ。

赤の王編。

完。



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