天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「まったく〜あんなことを思い付くなんてな」

美亜の姿をしたアルテミアは、西館と中央館を繋ぐ渡り廊下にいた。手摺に頬杖をつき、グラウンドの方を見つめていた。

「まあ〜お前らしいか」

アルテミアの右耳に、雷の形をしたピアスがついていた。

「あれが、一番いい方法だよ」

ピアスから、僕の声がした。

「そうだな」

アルテミアは頷いた。

森田部長から剥がしたオウパーツは、僕の肉体…つまり浩也の体につけて、島の休憩所に封印して、海に沈めたのだ。

「オウパーツを集めている連中も、迂闊には手を出せないだろうからね」

僕が話している途中、渡り廊下の下…中庭を歩いて来た男子生徒がアルテミアに気付き、恥じらいながらも手を振ってきた。

アルテミアの正体が一部の生徒にバレてから開き直ったのか…美亜でありながらも数段綺麗になっていた。

もともと女神である。確かに、綺麗のレベルも違う。

アルテミアは一応、軽く手を振って愛想を振り撒く。

「…」

思わず無言になってしまった僕に、アルテミアは視線を空に向けると、

「男だったら、それくらい気にするな」

「…」

まだ何も言えない僕に、アルテミアは空を見上げながら、にやりと笑っていた。

「教室に戻るか」

手摺から離れると、背伸びして渡り廊下を歩き出すアルテミア。

その下の渡り廊下では、

「やったな」

先程の男子生徒が喜びながら、通り過ぎて行った。

その向こうで、4人の男女の集団が中庭に入ってきた。

大月学園の学生服を着ながらも、先頭を歩く女子生徒は、鉄の仮面を被っていた。

「まずは、右足のオウパーツの宿主と接触する。我々に協力するならば、仲間にする。もし、抵抗するならば…奪う!」

鉄の仮面の女は、仮面の中でフッと笑った。

「それに…感じる!右腕のオウパーツの波動をな!」

オウパーツを被っているからか…鉄仮面の女は、4人の内で一番感受性が優れていた。

「海に沈んだ…腰のオウパーツ以外は、すべて集める!そうすれば…自ずと腰のオウパーツも引かれて、海から現れるわ!」

鉄仮面の女は、興奮から歩く速度を速めた。



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