先生とアタシの接点
―多忙―<香織side>

今日は長野二日目。

目が覚めて、ベランダに出てみた。


真夏なのに少し霧が出ていて、向こうの鳥居は霧と化している。

「ん~…。」

アタシは大きく伸びをして、深呼吸した。


まだご飯までかなり時間がある。

「散歩したいなぁ…。」


湖をぼんやり眺めながら呟いた。

まだ優人は寝てるから、聞こえないくらいの声で。

アタシはそのままベランダに寄りかかった。


「行く?」

…優人…起こしちゃった?


後ろを振り向くと、寝癖頭の優人が微笑んでいた。



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