先生とアタシの接点

いよいよ三年生の番。

「三年二組…風間 聡先生。英語を担当していただきます。」

風間先生か…。まぁ悪くないな。

去年も英語教わったし、隣のクラスの担任だったし。普通の先生。

全クラスの担任と学年主任の発表が終わって、副担任の発表になった。


あ…。新しい先生ってあの人かな?

スラッとした若い先生が壇上に見えた。

!!!!

ちょっ…あれって…優人…?

人違い…だよね??

力が抜けたアタシに、教頭先生の声が更に追い討ちを掛ける。

「続いて…二組の副担任は…遠山 優人先生です。今年から我が校で三年生の数学を担当していただきます。進路指導も担当していただきますので、部活の担当はありません。」

教頭がしゃべり終わった後、壇上の優人と目が合った。

…撃沈…。



…何で学校にいるの?

…仕事って高校の先生?

昨日デートしたよね?手繋いだよね?ペアリングだって…。

ネックレスに通したペアリングを見つめながら、心の中で叫んだ。


「はぁ…」

自然とため息が漏れる。

本当は大声で叫びたい。

夢に出てきたあの人は優人だったんだ…。

…生徒と教師って…ダメじゃん。



教室に戻っても、頭から『禁断』の二文字が離れなかった。

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