白兎物語
知らされた真実
ある晴れた昼下がり。

その日は朝からとても気分が良く、持病のぜんそくも出なかったので白兎のウサ美は家の近くの草原に遊びに来ていた。

ウサ美「あら?何かしら?」

いつものスミレ野原の中に見なれぬ黄色の花を見つけるウサ美。

ウサ美「おかしいわね、この間までこんな花生えて無かったのに…でもハートの形でとても綺麗…」

フラフラと吸い寄せられるようにその花の方へ歩み寄った時…

ウサ美「何?体が動かないっ!」

なんと突然金縛りにあったウサ美、訳もわからずパニックになっているとどこからともなく声が聞こえてきた。

謎の声「フハハハ!私は黒ウサの魔王ウサ太郎。お前の命はワシが頂く!白兎族の王家の血を引くお前をいけにえにすれば我は復活する!」

ウサ美「魔王?…王家の血?…何の事?わからないわ!お願い…助けて!」

ウサ太郎「フッ知る必要はない。すぐ楽にしてやる!」

不思議な力で体が締め付けられるウサ美。

ウサ美「キャア!…苦しい…誰か…誰か…たす…け…て…」

次第に意識が遠のくウサ美、もうダメかと思ったその時!

「エクストリームキャリバー!」

誰かがそう叫んだ!あたり一面に不思議な光が降り注ぐ!すると…

ウサ太郎「ぐおぉぉ!またお前か!ここは一度引くが私はあきらめんぞ!首を洗って待っておれ!ぐわぁぁ!」

そう言うと辺りから邪悪な気配は消えていった。体の自由が戻り楽になったウサ美。

ウサ吉「私はウサ吉。あなたをお守りするのが我が使命。大丈夫でしたか?姫!」

気が付くと目の前にイケメンの茶色の毛並みのウサギが立っていた。

ウサ美「姫?私が?…使命って…何かの間違いじゃ…」

ウサ吉「知らないのも無理はありません。いつかこういう日が来るかと思い、危険から逃れるために生まれてすぐ、あなた様はあえて養女にだされたのですから。」

ウサ美「えっ?お前!マジかよ!」

ウサ吉「…」

何がなんだか訳がわからないウサ美。魔王ウサ太郎とは?ウサ吉の正体は?

ここにこれから長く続くバカバカしくも儚い、どうでもいいような感動の、それでいてインチキっぽい愛の物語が幕を開けたのです。…たぶん。
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