白兎物語
油断大敵
ジパングで黄金イチゴの村を後にしたウサ美たち一行は近くの町で宿を取り、今後の作戦を練っていた。

ウサ吉「黄金イチゴを取られてしまったのでウサ太郎に必要な残りの材料は5つですね。」

イスに座りいつもながら冷静な口調で語るウサ吉。

ウサ美「残り5つもあるじゃん。どれか1つでも妨害すれば黒兎の秘薬とやらは完成しないんだろ?まだ大丈夫じゃね?」

ベッドに腰掛け、ウサ美は大好物のプリンを食べながら相変わらずの楽観ぶりである。

赤ウサJr.「それがそういう訳にはいかないんだ。未来でウサ太郎の行動を調べたところ、残り5つの材料の内の4つは何故かわからないが短い期間のうちに簡単に手に入れているんだ。」

壁に寄り掛かり腕組みをして少し暗い顔で語るJr.。

ウサ吉「それだと先回りする時間も無いので、妨害するのはかなり難しいかも知れないですね。」

ウサ美「うーん…じゃあさ、それは無視して先に最後の材料を手に入れちまおうぜ。それだと先手が打てるだろ?」

ウサ吉「姫、それはいい考えですね。…で最後の材料は何処にあるんだ、Jr.?」

赤ウサJr.「それがちと厄介な場所にあってな…。あ…いや、場所も厄介だが、それを所有してる奴らがちょっと問題でな…。」

ウサ美「なんだよ、もったいつけずに言えよ。」

と言いながら2個目のプリンに手を伸ばすウサ美。
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