白兎物語
禁断の魔法
ガゼットを倒したと思ったのもつかの間、なんとガゼットの妻であるセシルがウサ美達に敵意を持って近づいて来ていた。

ガゼット「…逃げろ……とても…お前達の…かなう相手では…無い…」

セシルの放った光の玉に弾き飛ばされたガゼットが息も絶え絶えにウサ美達に訴えかける。

セシル「アハハ!まだ生きてたとはしぶといねぇ。」

邪悪な笑みを浮かべながらさらにセシルはウサ美達に近づいてくる。

ウサ吉「これはどういうことだ!お前は一体…?」

セシル「なあに、ちょっと世界を自分の物にしたくなってね。そこの間抜けな狼たちを利用させてもらっただけさ。お前たちには礼を言うよ、探していた欲しい物が手に入ったんだからね。」

ウサ美「欲しい物?」

ウサ美が聞くとセシルは気を失っているウサ太郎の方を見ながら、

セシル「こいつが持ってる黒兎の秘薬の材料さ。あたしが持ってるガブリエルリリーと合わせると全部揃うからね。あとはこいつから詳しい薬の作り方を聞き出せばあたしには無限の力が手に入る。ご苦労だったね、お前たちはこれから世界が征服されるのをそこで指をくわえて見ているといいさ。アハハ!」

そう言うとセシルはウサ太郎と宙に浮かびあがり、すごいスピードで飛んでいき洞窟の中に入っていった。

残されたウサ美、ウサ吉、赤ウサJr.、ラビィ、バジャールはあまりに突然の出来事で呆然としながら顔を見合わせた。
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