キミの隣に
話を聞きながら、
含んだ水を飲みくだした。


そういうのも
練習はしてるんですよって
言おうとしたけど

発する事はなかった。


唇が、
唇で
塞がれてしまった
から・・・

隣に座り直した
鷹尾センセに。



「痛っ!」

「・・・センセ、
酔ってんの?」

彼の下唇を噛み、
キスを止める。

何を思って、
こんな事してんだか。


普通に考えて、
生徒に手を出しちゃ
ダメでしょ?

まったく、モテる奴って
これだからなぁ・・・。

手辺り次第っつーか。


「若い子に、こんな事したら
訴えられるよ?」

「旨そうだったから、ついな。
そんな事より、
一曲合わせてみよう?」

イケシャアシャアと、
彼はいう。

「無理だよ。まだ、
キーとれてないもん。」

「大丈夫だよ。」

彼は、イントロを弾きだす。

「センセ、待って。」

「何だよ?今度は。」

「このキーって・・・」

「多分これでイケるから
ほら、歌え。」

目で、Aメロの導入を促され、
私は、習慣的に歌いだした。

 
 

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