キミの隣に
 
二年前の
彼女の残像・・・

俺の勝手な感情だが

ここに至るまでの
俺のプライベートを
壊していた。


当然だが、何も知らない
彼女の右手の薬指には、
リングが、今も、
定位置に収まる。

「その指輪、
ずっとしてるよな。
彼氏から?」


最後に見た日の、
彼女の残像とは
騒がしい、打ち上げの席で
悲しそうな瞳で
そのリングに
口づけている所だった


名前も知らない、
妙齢の女の子達に絡まれながら
俺はずっと、
その唇をみていた。


その唇を、
当時の恋人に重ねて見て、
口づけたり。

カノジョを抱いていても、
隣の、このオンナを
抱いてるつもりになったり。

コイツを犯す妄想で、
生理的な性処理を
したり・・・と

仲も若干冷めていた事も
あったけど、
恋人を裏切っているような、
罪悪感が堪らなくなって、
別れてしまった。


で、そうした頃より
段々自分を取り戻してきて
その記憶も薄らいできて
現在にいたっている。


彼女・・・を
渡辺さんと一線を設け呼ぶのは
俺の中では
なんだか違う気がする。


 

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