ふたご王子に恋をした

*ホントのキモチ




やっぱり、


このままじゃダメだよ。


ダメに決まってる。


だからって、あたしが今してることが正しいとは思えない……


けど…………


やるだけやってみないと!




「はあ……き、緊張してきた…」



あたしは今とてつもなく大きくて高いビルの前に立っていた。



ここは、あの市瀬社長率いる貿易会社。


オフィス街と全く似つかわしくないあたしは完全に浮いている。



いや、でもそんなこと考えてる場合じゃない!


あたしはグッと拳を握り締めると大きくて立派な自動ドアを通り抜けた。だだっ広いフロアの奥に受付が見える。


「あの…すいません!」


「はい。」


受付のキレイなお姉さんがニコッと微笑んだ。


「……社長、市瀬社長にお会いしたいんですけど!」


「アポイントメント……お約束の方はなされてますか?」


「い、いえ…」


「お約束をされていないのであればお通しすることはできないのですが…」


「そうです…よね…」


って、引き下がっちゃダメだ!ダメもとでもうちょっと押さないと!


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