ふたご王子に恋をした
「お疲れサマ☆明日からもがんばろうね♪なんなら泊まりこみでも構わないから♪」



誰が泊まるかこんな家!



「分かんないとこあったらすぐ聞きにおいで。」


旭はニコッと笑って答えた。


はー……

悔しいけどやっぱカッコいいんだよね、この笑顔!


あたしは無言でコクリとうなずいた。


「あのさ、旭…」


「なに?」


「なんであたしなんかのために、勉強教えようと思ったわけ?」



普通、中間テストの1週間前って人に教えてる余裕なんてないし、自分の勉強したいハズだよね。


天才だから勉強しなくてもいいってか?



「だって麻衣が留年したらヤダもん!」



ヤダもんって…子どもかっ。

それ以前に留年確実みたいに言わないでほしいんだけど!



「それにー、麻衣と少しでも長く一緒にいたいし☆」



う……



「あっ!こういうこと言うとまた軽いとか言われちゃうから言わないほうがいいのか!」


そう言うと旭はハッとしたようにグーで口をおさえた。



「……じゃ、じゃあ、おやすみ!」


「おやすみ、麻衣ちゃん☆」



市瀬家のドアを開けて出ると、今度は数歩でつく自分の家のドアを開けて中に入った。


「ど…どうしよ…」


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