倫の実話怪談語り
真夜中のドライブ


友人Hの話

真夜中に彼女とドライブにでかけた

そこはHの好きな道

峠を越えるまっすぐ一本道

楽しい会話をしながらしばらく時間が過ぎた頃


ふと


バックミラーに映る
白い布


よく見ると助手席側のトランクから白い布のようなものが

風にバタバタとはためいている


トランクにそんなもの入れてたかなぁ…

もう一度
よく見てみると

白い布と一緒に黒いものがバタバタとはためいている


いや 違う


女だ


女が車の後ろにはりついている


Hは息をのんだ

確かに白い服の女だ


いや 待てよ

女が徐々に前に移動しているような気がする


次第にバックミラーから姿が消えた


その代わりに

助手席側の後部座席の窓に白い服と女の髪の毛が

バタバタバタバタと

はためいているのがチラチラと見える

「なんとなく女が車のボンネットにたどりついたら駄目な気がしたんや」
とHは言った


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