いちばんの星


『使用人という事だけでも気にくわない人間が多い中、親もいないとなれば反対されるのは当然ですッ!!』



そんな事…わかっていたつもりだったのに…



それでも、ミュリエルは溢れ出る涙を止めることができなかった。



「ミュリエルッ!」



走っていたミュリエルは、ヴェルヌによって腕を掴まれた。



「ミュリエル…」



やめて…今は聞きたくない…



「心配するな。俺を信じろ」



掴まれた腕から伝わるヴェルヌの体温。



きっといつもだったら心地いいはずのそれが、今は…



「…や……」

「え?」

「いやッ!!離してッ!!」



突然のミュリエルの大声に、思わずヴェルヌのミュリエルの腕を掴む力がゆるむ。



とっさにミュリエルは掴まれた腕をふりほどくと、涙で濡れた瞳をヴェルヌに向けた。
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