いちばんの星


「辛いのはわかるわ…でも、ヴェルヌ様を本当に愛しているなら…あなたから身を引きなさい」



そう言って、リヴィアは優しくミュリエルの肩を抱いた。



しばらくそのままミュリエルの肩をさすっていたリヴィアは、「ここへ来なさい」と住所が書いてある紙をミュリエルの前に置くと、そっと中庭を離れた。



その場に残されたミュリエルはリヴィアの言葉を何度も思い出していた。


『あなたはただの使用人にすぎないのだから…』



『このままじゃヴェルヌ様の立場がどんどん悪くなるの』



『ヴェルヌ様を本当に愛してるなら…あなたから身を引きなさい』



それまでずっと泣いていたミュリエルは、そっと涙を拭いて立ち上がった。



そしてゆっくり歩きだした…



愛しい人の元へと。
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