月と太陽の事件簿9/すれちがいの愛情
オバケでも宇宙人でも、見たと言うならまず話を訊いてみる。

真実はそれから追求すればいい。

ましてや相手は子供だ。

頭ごなしに否定するのはあたしの性にあわない。

「だからオバケの話もっと聞かせてくれる?」

あたしがそう言うと、リカちゃんの顔に笑みが広がった。

「んとね…!」

リカちゃんはオバケについて喋りはじめた。

オバケが出始めたのは今のアパートに引っ越してから。

ポルターガイスト現象はリカちゃんと母親のふたりだけの時に出る。

ポルターガイストに気付くのは必ずリカちゃんが先。

そして今月になってから2度、火事が起きたという。

「火事?」

オバケとは違った、現実的な話にあたしは眉をひそめた。

「リカのうちだけね、火事になったの」

詳しく訊いたところ、アパートの外に出しておいた新聞や雑誌が燃え、ボヤ騒ぎになったらしい。

「それもオバケ?」

「そっちのオバケの方はリカわかんない」

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