大切な宝物
出逢い

姫川 柚菜
去年の11月25日
忘れもしない

あの日あたしの人生の歯車が音を立てて崩れ始めた。。。


その日あたしは最愛の人に捨てられた。。。


瀬戸 春樹
あたしが彼と初めて顔を合わせたのは
職場である県立病院の一昨年の忘年会だった

半ば強制的で
仕事のある人以外は
必ず全員参加

あたしは調理師
春樹は看護士

こんな機会でもなかったら
顔を合わせることなんてなかったと思う。


あたしは人と接することが苦手だった

人は心の中ではどんなことを思ってるか分からない
だからあたしはいつも誰からも好かれるように

ウソの笑顔をふりまいて偽りの自分を作り上げて毎日を過ごしてた

その日
あたしの左隣には春樹
右隣には職場の先輩
が座った

春樹はあたしに声をかけてきた

『姫川さんってむちゃくちゃきれいだよねぇ
体だってすごく華奢だしなんで調理師なんてやってんの?』

……………

なんでこの人あたしの名前知ってんの?

春樹とは初対面だった

軽い感じの男
1番苦手なタイプ

それが春樹の第一印象だった

あたしは人嫌いだけど

男はとくに大嫌いだった
『得に理由はないです』
あたしは冷たくあしらった
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