千日紅が咲いている
 かわいらしい子だと思った。

 私なんかよりずっと――ヤスにお似合い…。

 心が痛かった。


「へぇ…?」

「なんだよ、その言いたげな目線は」

「別にー」

「むかつく」


 ふてくされるヤスを大輔は楽しそうにからかう。

 いつもの光景に私は笑う。


「仲がいいんだね」


 彩花ちゃんがつぶやいた。


「2人は幼馴染だから。生まれてからの付き合いらしいよ」

「へぇ…いいね、そういうの。うらやましい」


 声もかわいらしい。

 服もかわいらしい。
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