時計仕掛けの宝石箱
‥人では、なかった。
始めにエディリーンの五感が捉えたのは、腐敗臭だった。
「‥っ」
あまりの臭いに、エディリーンは顔を歪めた。
瞬間、
ビュバッ!!
「っ!!」
咄嗟にしゃがみ込んで回避し、間髪を入れず一足飛びに後方へと退避。
ふわりと着地したエディリーンは眉をひそめた。
「この腐敗臭‥獣鬼(ジュウキ)ね。
‥でもどうして?
人が堕ちるような<扉>は無いはずなのに‥
いや、今は‥始末が優先ね」
そう呟き、エディリーンは開け放たれたドアに集中する。