時計仕掛けの宝石箱
執拗に紅い光を吐き出すパソコンに再び手を据え、警告の文に構わず文書を打ち出す。





‥ただただ緊張だけが、この空間を支配する‥。





パリ‥





「?!」

メールという形で文書をどこかに送信した後、僅かに電撃が走る音が耳を掠めた。

<送信完了>の文字を確認することなく、彼女は静かにパソコンを閉じる。

その、直後だった。

「‥‥ぁ‥」

漏れた言葉に、彼女は気付いていなかった。



何故なら‥。



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