感覚のレベル【BL】
 
 出会いは偶然と必然の狭間で。

 大袈裟に言えば「これぞ運命」みたいな感じだった。


 背景は白。真っ白。純白。

 床との境界線は、無い。

 そして、一面の白の上に散りばめられた、白に対して鮮やかすぎる程に真っ赤な薔薇の花弁。

 舞い散る赤。

 その薔薇の上に、裸足で立つ一人の人物。

 透き通るような白い肌。

 濡れた様な質感の黒い髪。

 その間から覗く深海色の、虚ろだけれど吸い込まれるような不思議な眼差し。

 形の良い唇もまた深紅で、頬にも、白いシャツにもそこからはだけた肌にも、紅い色が飛んでいる。

 右腕で赤い薔薇の花束を抱えて。

 垂れ下がり、朱に染まった左手には漆黒の拳銃。

 脚には茨を象った蔓の様なものが絡まっている。


 白と、赤と、黒の世界。
 
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