感覚のレベル【BL】
 
「じゃあね」


 軽く言って立ち上がると、呼び止められた。

 なんだかばつの悪い顔をしているが……。


「お前さぁ、雑誌……確認する前に気づけよな」


 その話題には、あまり突っ込んで欲しくなかった。


「怒った?」


「普通、気付くだろ……」


「……あんまりにも真面目なカオしてるから気付かなかったよ」


「ウソツキ」


 気付かれたか?


 本当の理由は……見たことのないような表情を一也がしているからだよ。
 
< 36 / 38 >

この作品をシェア

pagetop