いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ

楽屋に戻り，くつろいでいると

『よ，お疲れさん』


あ，謙二。
コイツはあたしのマネージャー。


『お疲れ〜ってか謙ちゃん邪魔しないでよ!今余韻に浸ってんだからさ笑。あ〜かっこよかったなぁ』

『そんな余韻に浸らんでも，本人連れてきたけど』

『はっ?!』



『ど〜も〜』


謙二の後ろから，ひょこっと顔を出す，中村選手。


『なっ，中村選手…っ?!』


『じゃ，ごゆっくり〜♪』

謙二は出て行った。


あいつ，
気が利くじゃん!!


『あの，ちょっと聞きたいんだけどさ，ＩＯちゃんって…ホントに俺に会いたかったの？それともヤラセ？』


『ヤ，ヤラセなんかじゃないです!ほらっ』


あたしはケータイを開いて押し付けた。


あたしの今の待ち受けは，満面の笑みの中村選手。


『うわぁ…なんか恥ずいわぁ。あんな，俺もずっとＩＯちゃんのファンやってんで』


『えっそーなんですか?!嬉しいなぁ』


『せやから今回呼んでもらえてめっちゃ感動したわ!良かったら，アド交換してくれへん？』


『いいんですか?!…てか，あの…喋り方…』


『やっべ!また関西弁でしゃべってしまった〜たまにうっかり出るからそんときは言ってね？』


『あ…はい』


…隠すことないと思うけどな。




こうしてアド交換することができた。
これだけでもテンションMAXなのに…

『ＩＯちゃん，ファンなら知ってるかもしれんけどさ…』

『なんですか？』

『今日，試合無いんだ』


それは，知ってるけど…

『そうなんですか』

わざとしれっとする。


『今から一緒に，どこかいこうか』


『……えっ？』