道中地蔵
夜、私は留守番派の女の子二人と川の字になって眠ることになった。
布団を敷いている間中、一人は渋い顔で肝だめし派の愚痴を、一人は泣きそうな顔で心配ごとを口にしていた。
結局は私が花火の話題を持ち出すと、2人は揃って笑顔になった。
供養代わりの花火をしたのだから、少なくとも留守番派は大丈夫だと言うと、二人は固まったが。
やがて眠気に襲われ、私達は眠りについた。
しかし深夜になり、妙な声が聞こえ、3人とも目を覚ましてしまった。
その声は障子戸の向こうから聞こえる。
うめき声にも似た声に、私達は身を固くした。
きっと肝だめし派の連中が、今頃怖い夢でも見ているのだろうと一人の女の子は言った。
しかし声は近づいてくる。確実に、こちらへ―。
廊下には豆電球のわずかながらの光が見える。
そして―私達は見てしまった。
豆電球の光の下、首の無い甲冑を着た身体が数体、うめきながら歩くのを―。
あまりの異様さに、私達は言葉を無くし、息さえできなかった。
影ながらも分かる、暗く重い気配。
誰かがイタズラしているわけじゃない。
こんなこと、誰もできない。
そして、歩みは私達の部屋の前で止まった。
布団を敷いている間中、一人は渋い顔で肝だめし派の愚痴を、一人は泣きそうな顔で心配ごとを口にしていた。
結局は私が花火の話題を持ち出すと、2人は揃って笑顔になった。
供養代わりの花火をしたのだから、少なくとも留守番派は大丈夫だと言うと、二人は固まったが。
やがて眠気に襲われ、私達は眠りについた。
しかし深夜になり、妙な声が聞こえ、3人とも目を覚ましてしまった。
その声は障子戸の向こうから聞こえる。
うめき声にも似た声に、私達は身を固くした。
きっと肝だめし派の連中が、今頃怖い夢でも見ているのだろうと一人の女の子は言った。
しかし声は近づいてくる。確実に、こちらへ―。
廊下には豆電球のわずかながらの光が見える。
そして―私達は見てしまった。
豆電球の光の下、首の無い甲冑を着た身体が数体、うめきながら歩くのを―。
あまりの異様さに、私達は言葉を無くし、息さえできなかった。
影ながらも分かる、暗く重い気配。
誰かがイタズラしているわけじゃない。
こんなこと、誰もできない。
そして、歩みは私達の部屋の前で止まった。