【長編】距離
first story

朱菜 side

「どうしたの?」


友達の心が心配そうに聞いた。


それもそうか。


いつも一緒にいるはずの漣斗がいないから。


「別に。
距離置こうって言われただけ。」


「えっ?」


心が唖然としてる。


口を開けて固まっちゃってるよ。


それもそうか。


昨日まで普通に仲良くしてたから。


切り替えの早さに吃驚みたいな。


「はい。
もう終わり。
次、探さなきゃね。」


私は、笑顔で心に言った。


「お、終わってないよ。
終わってなんかないよ。
朱菜、なんで?」


心は、泣きそうだ。


なぜ?


「心?
漣斗にとって、何でもない言葉でもね。
私にしたら、終わりの言葉だから。」


これを言われたのは、初めてじゃない。


私とつきあう彼氏は、みんな言う。


なんで?



だから、私は別れの言葉なんだと思った。
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