【長編】距離

修 side

俺は、悩んだ。


朱菜にすぐにでも想いを伝えたい。


何の障害もなくなったんだから。


引け目を感じることなく素直に。


けど、まだ解決してないことがある。


まず、孝知の家だな。


俺のじいちゃんの遺言と親からの手紙。


少しでも過去を思い出すかな?


俺は、幸せだったのかな?


なぜ、死を理解してたかがわからない。


まさか.....


まさかだけど。


死と隣り合わせのような生活をしてたのか?


俺にだけ未来があると思ったからか?


聞きたいよ。


もう聞けないけど。


知りたい。


朱菜、俺の事どう思ってる?


あの頃のような気持ちは、ある?


もし、俺の過去が薄汚いものだったとしても受け入れてくれるか?


優先順位がわかんねぇよ。


中途半端な俺が、朱菜に気持ちを伝えるべきか。


すべてを知った上で、朱菜に気持ちを伝えるべきか。


後者の場合、朱菜は、その間誰のものにもならない保証はない。


それが、怖い。


それだけは、嫌だ。


俺は、朱菜を想いながら眠りについた。
< 131 / 296 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop