【長編】距離
「私、行くね。」


次の時間から、出なきゃ。


お昼前だし。


頑張ろう。


「待てよ。」


戒が私の腕を引っ張った。

強引な戒。


懐かしい。


忘れてた記憶が思い出される。


「なに?」


「返事は?」


「返事?」


「俺は、朱菜にやり直したいって言った。」



「答えは、NOしかない。
私の気持ちを考えてくれなかった戒とは、元に戻れない。」


私は、戒の前から立ち去った。


なんだ。


ただ、踏ん切りがつかなかっただけなんじゃん。


よかった。


戒が好きとかじゃない。


だって、やり直したいって言葉になにも感じなかった。


じゃあ、私は誰が好きなんだろう?


てっきり、戒を引きずってたからってのがあるんだと思ってた。


けど....


違うみたいだ。


じゃあ、なんなんだろう。


自分のことがわからない。
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