【長編】距離
「修に話してたかはわからないけど....
榊の家はね。
由緒正しき歴史のある家なの。」


ばあちゃんが説明をしてくれるみたいだ。


「痣ってのは?」


さっきから、痣が重要視するみたいだし。


「跡を継ぐにはね。
ななくん、見せてあげて。」


「あぁ。」


孝知のじいちゃんが俺に痣を見せてくれた。


赤く火傷しているような痕。


「すげぇー真っ赤。」


「今は、友紀...孝知のおばあちゃんがいるからね。
最愛の女性が隣にいるときはそうなのよ。」


「へぇー。」


すごいな。


鈍い奴でも気づくわけか。


ある意味羨ましいかも。


言葉にしなくても伝わるみたいな。


俺には、必要ないけどな。


「それでね。
ななくんの後にその痣を持つ者が現れなくてね。」


なんとなく理解してきた。


亮ってのが、痣があるからか。


真っ赤だったから、隣にいた美弥とか言う人が最愛の女ってわけね。


わかりやすっ。


だから、彼女に席を外すようにしたわけか。


納得。
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