スイート*ハート~絆のラブリーDAYS~




はぁーーって
先生は笑いをおさめて


私を真っ直ぐ見た


 ドキドキし過ぎて息も苦しい


先生がこっちに来るのかな?

それとも私が行くのかな?



先生はベッドに座ったまま



「いつまで
オレは『先生』なの?」


「あ、そっか………」


旦那さまに先生は変だよね


じゃあ、どうしよう………


ドキドキドキドキ


ダメだ、
全然 なにも考えられない


心臓の音だけ身体中に響いて


くらくらする……………


まだ何もしてないのに
私、大丈夫かなぁ………



「先生、なんて呼べばいい?」



「きぃのお好きなように」



「………え~」


困ったな。
本当に何も思いつかない


「えっとぉ……藤代さん?」


「きぃも藤代さんでしょう?」


「あ、そうか。
……じゃあ柊さん」


「『さん』は いらないよ」


「………えっ?」


「そのまま呼んでみて」


先生は
甘く溶けそうな表情を浮かべ
私を見つめる



「そのまま?」


「うん。そのまま」


ドキドキドキドキ


ゆっくり口を開き


「しゅ………柊」


うわー、呼び捨てって
先生を呼び捨てって


「うん。
……もう一度、呼んでみて」


えっ………呼びにくいけど


「柊」


先生は嬉しそうに笑い


「はい」って返事した。


きぃくらい年下に
呼び捨てにされるって
気分いい。なんて
理解不能なことを
柊は言った。




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