甘い蜂蜜。
Black tears


綺麗な涙を流せるあの子に、嫉妬した。
どうせ私は、可愛くないのだ。







血を吐くような気分だ。
毎日、毎日、辛くて、死にたくて。
未来なんて、どこにもないじゃないなんて。
ぐるぐる、ぐるぐる、嫌な感情ばかりが、めぐってく。




癒されるはずの、大好きな人の声でさ。
イライラにしかならなくて。
つけたテレビを消して、リモコンを壁に投げつけた。
カシャなんて、軽い音がして、電池のふたが外れた。
憎しみにしかならないのは、会えないからだ。




玄関も、窓もしまっていたはずと。
電気を消して、子どもみたいに、わんわん泣いた。
頭がぼぉーっとして、疲れるくらいまで。
いい加減、顔を洗おうと立ち上がった時、パッと電気がついた。
心臓が止まるくらい驚いた私の目の前に、悲しそうに笑うあなたがいた。





合鍵、くれてたでしょ??
なんて、可愛く首を傾げられても、困る。
泣いてたから、声、かけづらくて。
なんて、悲しそうに言われても、困る。
見られたくなかったのに。
あなたにだけは、一番。





泣くのなら、俺の胸で泣こうよ。
そう言って、抱きしめようと近づいてくるから、無視して立ち上がった。
遅い時間なんだから、帰ってくれる?
自分でもわかるくらい、意地悪く、冷たい声。
なのに、嫌だ、今日は泊まるなんて、クッションを抱きかかえる。
もう、勝手にすれば?





うん、勝手にする。
そう言った顔に、抱きしめられて、今に至る。
テレビでは可愛い女優さん。
綺麗な涙にむかついて、チャンネルを変えたら、笑われた。
好きな子の涙なんだから、なんだって可愛いのに。





(泣いちゃえばいいのかな、思い切り
 
 あなたの胸に、甘えて…)





少しは、素直になれるように、努力しようかな。
でも、今は、とりあえず。








セクハラすんな!!
変態!!


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