妄想★酒場~雑談帳~




「へいアイスティーお待ち」



コトン

カウンターに
アイスティーのグラスを置くと



「どうも」



柊ちゃんが
ストローに口をつけた



「奥方とは、
うまくいってます?」


カウンターに
頬杖ついて訊くと



ストローから口を離し
柊ちゃんは2、3度うなずいて



「相変わらず、
落ち着きはありませんが
よく頑張ってくれてますよ」



柊ちゃんの穏やかな微笑みを
じとーと見てしまう……



「柊ちゃんみたいな
激あまな亭主なら
私も結婚したいかもー」



私の言葉に
困ったように頭を掻き



「甘い……かなぁ?」


「甘いよー。
まあ、年下の奥さんだもんね
自然と甘くなっちゃうよね」



「ははは………
そうだね
あの子のワガママなんて
可愛くて…………

……え?なに?
リンちゃん。殺気が
身体中から殺気がっっ」


柊ちゃんが恐怖におののき
スツールから立ち上がり
2、3歩 後退った



私はカウンターの上に
握りこぶしを置き



「あと少しでX'masなのよ
私、もう本当に
20代って言えるのも
あと何年かしかないし……
なのに独身だし彼氏いないし
……ブツブツブツブツ……
(お聞き苦しいので以下省略)」




「わかった、わかったから
落ち着こう!」



「あんたのノロケ聞いてる
暇なんかないのよー!」



「ああっ!
頑張ってもカウンターは
ひっくり返せないから
ちゃぶ台じゃないからー」





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