田舎の王子様~照れ屋な俺様
小玉くんの制服や髪は…雨に濡れていて


コータのように泥はついていないものの


顔は、酷く疲れている感じに見えた。


「え…何?二人でケンカしてたの!?小玉くん、とりあえずこれで拭いてよ」


ポケットから慌ててタオルハンカチを出す。


髪が少し濡れて、いつもの雰囲気と違う事と、無言の小玉くんの緊迫感が合わさって、私の胸は不安と緊張で激しくなっていく。


小玉くんは黙って私の手からハンカチを受け取ると、濡れた顔を少し拭いた。


「…オレちゃうで」


「…え?」


「…コータをヤったん、オレやない」


私は…


濡れた髪から、滴が落ちるのを…


黙って見ていた。





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