田舎の王子様~照れ屋な俺様
「可愛いなんか、挨拶みたいなもんやん」


…へ、挨拶ぅ?


小玉くんはフッと笑うと、私の頭をポンと叩く。


唖然とする私の後ろから、コータが走って来た。


「小玉ぁ~。もしかしてお局様に責められてる?!」


私たちの元に駆け寄るなり、私はカバンをコータの背中にヒットさせた。


「お局って何なのよ!」


「あいてっ!ほんっと狂暴だよなあ…。彼氏の前でぐらい可愛くなれよ」


コータは私から逃れ、都の後ろに隠れる。


小玉くんは、コータと私のやり取りをじっと見てると、口端に笑みを浮かべ私を見た。


「コータぁ、心配すんな。コイツはオレが女にしたる」


…は?
< 27 / 671 >

この作品をシェア

pagetop