田舎の王子様~照れ屋な俺様
「とにかく。元みたいにつっても無理だろーけど。そこまで嫌がられるぐらいなら、オレも今まで通りに振る舞うから。


突然オレ避けだしたら学校でみんなにバレるぜ。都には…バレたくねーんだろ?」


都…。


その名前を聞いて胸が痛む。


最近は全くコータの話をしなくなった。


添乗員の大貫さん。仕事ガラか、かなりマメで、メールすれば必ず返事はあるらしく


いつも話題は大貫さんの事。無理にコータの話題にならないよう無理してるようにも見えるんだ。


「…分かったよ。じゃあ、乗る」


渋々、コータの後ろに乗る。


あぁ…


どうしよ。


帰り…小玉くんと、二人きりになりたいのに。


コータの後ろで自転車に揺られながら


心の中で溜め息をついていた…。





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