そして秘密の時間(とき)を共に
ん?

私は視線を感じてそっちを見ると、涼が前の座席の背もたれに肘をついて、ジーっと私を見ていた。



えっ? あっ!

我に返って辺りを見回すと、会場のお客さんはほとんど居なくて、私達を含めて数名が残っているだけだった。



「あっ、ごめん、涼。帰ろう」

隣に座っている涼に声を掛けて、私は席を立った。

「そうだな」

涼はフッと微笑んでから、立ち上がった。

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