そして秘密の時間（とき）を共に

「『部活終わってから行こう』って……あれっ？　お兄ちゃん、途中で帰る予定だったの？」

「元々は俺の部活が終わったら、一緒に帰る予定だったんだよ。まぁ、あいつが沖野先生と一緒にプレー出来るのに、途中で帰る訳がない、とは予測してたけど」

隆志先輩は笑った。

「俺、バスケ部の練習終わるまで、待ってるよ。真佐志にそう伝えておいて？」

えっ？

「隆志先輩……練習見学するの？」

「するよ」

「えー、なんで？　見学なんてした事ないのに」

「沖野先生のプレーを見てみたい」

えっ？　隆志先輩も沖野先生のファンなのかな？