遠距離、恋愛。-二人の距離-
アルバイト <<side K
「は?バイト?」

昼休みにめったにならない携帯が鳴ったので出てみると、久しぶりに見た実家の番号で。

それも、父さんからの電話で、何事かと思ったらアルバイトをしないかという内容だった。

「俺にできるの?」

『ああ、通訳なんだよ』

父さんの職場は、外資系ではないけれど、海外の支店から仕事でお客さんもやってくる。

そういった外国人相手に、通訳をしてほしいんだという。

「え、俺で大丈夫?」

6年間海外生活をして、それなりに英語は堪能な方だとは思うけど。

少なくとも、父さんよりは発音もいいと思っている。

でも、向こうでやったアルバイトと言えば、知り合いのベビーシッターくらいで、ビジネス英語なんてわからない。

『まあ、なんとかなるだろ?』

「そんな適当な・・・」

我が父ながら、呆れてしまう。

でも、時間はたっぷりあるので、アルバイトも悪くないかも?
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