危険な彼女
奈津は仕方なくパンとコーヒー牛乳だけ買うことにした。




「百円ちょいに泣くだなんて…」




惨めである。


あまりに惨めで泣けてきた。




そもそも何で自分がこんなに惨めな思いをしなければならないのか。



奈津は、とりあえず金欠になった理由を考えてみた。




「………あ」




奈津は、わずか三秒で足りない原因に気付いた。



簡単なことである。



桜が何かと自分に金を使わせすぎるのだ。



今朝の紅茶の一件にしかり、それさえなければパンも二つになっていただろう。




「………はぁ」




悲しくなった。



何で俺がこんな目に…、とつぶやきながら肩を落とす。



その背中はリストラを宣告されたサラリーマンのように物寂しかった。
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