危険な彼女
「105円ね」




売店のおばちゃんの言葉に
俺はのんびりと反応し、支払いを
済ませて教室に帰ろうとした。





………その時、




「あら………奈津?」




俺はさっきまでとは違い、
とてつもない速さで体をびくつかせた。


そして、誰が呼んだのかはわかってはいるのだが…


その人物ではないことを祈りながら振り返った。





「あんた………


目にくまができてるわよ。

夜更かしもほどほどにしなさいよね」





――………だ・れ・の・せい・だ−−−ッ!!!!





沸き上がる怒りを必死に抑えながら桜を見た。


すると桜はニコリと微笑んで
口を開いた。



その笑顔が黒く見えてしまうのは
何故でしょうか?




「………ちょうどよかったわ。


私、今日…弁当忘れちゃったのよね」




「………は?」





それが俺と何か関係があるのかと
聞こうとしたが、口をはさむ余裕すら与えずに桜は続けた。
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