危険な彼女
〜奈津side〜




「よ、よかったじゃない!

二人、前々からお似合いだって思ってたの!


だ、だから………」




どぎまぎしている桜を見た。



いつもわがまま放題の彼女。



いつも暴力的な彼女。



親父のクビを盾に、人を奴隷扱いする彼女。




………そんな、危険な彼女。




でも、そんな桜を俺は………




「それと…ごめんって言った………」




「………え?」




桜の顔が呆けたものに変わった。



状況がつかめず、戸惑っているようだった。




奈津は、桜にゆっくり近づいた。




「俺………亜紀のことはたしかに好きで…でも………」




「そ、それならっ!!

何でごめんなのよ!?

あんた、馬鹿じゃないの!?」



「ああっ、馬鹿だよ!!!

わがままで、暴力的で、自己中で、傲慢で………



………でも、そんなお前を好きになっちまった大馬鹿だよ!!!」
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