危険な彼女
「ふぅ………あんた馬鹿?

この私に庶民がぶつかったのよ?

汚いあんたとぶつかって何もないわけないでしょ?」



「な…!?」




(こいつ………
かわいい顔してなんつーことを…)




「慰謝料払いなさいよね?」




(あんたはヤクザか!!?)




奈津は負けじと睨み、強気の口調で言った。



かわいい顔だなんて思わず、思いっきり言ってやる。




「そんなわけのわからんことに金なんか払えるかっ!!!」




奈津はそう言って、再び体育館へ向かおうとした。



………だが、




「ふぅん………


私にそんな口聞いて、後で後悔しても知らないわよ?

柳…奈津君?」



「え?」




初対面のやつにフルネームで呼ばれた奈津は立ち止まり、思わず振り返った。
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